デジタルトランスフォーメーション(DX)は今から18年ほど前に定義されたデジタル改革といってもよいでしょう。
ただ、この言葉を聞いても、いったいどんな事柄を示すのかわからない方もいらっしゃるのかもしれません。
本記事では、今さら聞けないDXの意味やなぜ注目を集めるのかなど事例を含めてわかりやすく紹介します。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
デジタルトランスフォーメーションを簡単に説明すると、「最新のデジタル技術を使用することによってビジネスだけに限らず、私たちの生活が良い方向に変わっていくこと」を示します。
このコンセプトは、現インディアナ大学教授(上級副学部長)であるエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱しました。
正式名所が長いため英語圏の表記である「Trans」=「X」という省略方法で一般的にDXと略され表記されています。デジタル産業の加速を重視する現代世界で、注目されているコンセプトであり、経済産業省や企業のビジネス報告書などでも頻繁に表記されています。
また、日本では、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」で、「2025年までに、システム改良を推進する必要がある」と提示されており、多くの企業にとっての差し迫った重要な課題として注目を集めています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)その定義とは?
DXは、数々の定義が存在しますが、ここでは、私たちの生活そしてビジネス分野の大まかにわけた2つの定義を紹介します。
① 最新デジタル技術の浸透によって、生活をより良い方向に向かわせる
私たちの普段の生活の中に最新のIT技術をどんどん取り入れていって、あらゆる面で利便性の高い快適な生活の向上を目指すというのがDXの定義者であるエリック・ストルターマン教授が初めて提唱してからはやくも18年が経ちました。
現在は、すでに現金を使用しないキャッシュレス支払いが普及するほか、遠距離でも授業が受けられるオンライン教育や、リモートワークも加速を見せ元来のDX定義通りの世界が切り開かれています
今後もテクノロジーは、急速に私たちの生活の中に取り組まれ、私たちの生活の中に変化や影響を良い方向に導いてくれると予測されます。
② デジタル技術とそのビジネスモデルを取り入れ、組織に変化を与え、業績を改善しすること。
ビジネスに関しては、通常のDXの定義とは別に2010年にスイスIMDビジネススクールのマイケル・ウェイド氏らが提唱した概念であるデジタル・ビジネス・トランスフォーメーションの定義が基本になっています。
日本でも、2018年12月に経済産業省が発表したITシステムの構築と経営の在り方の2つの見方からまとめられた「DX推進ガイドライン」を発表し、企業が事業断続力、競争力の強化に向けたデジタル化の構成を推奨しています。
②デジタルトランスフォーメーション(DX)の影響
総務省によるDXによる経済へのインパクトに関する調査研究(2021年)によると、国に問わずDX進展度の高い企業ほど、売上高が増加した企業の比率が高い結果がでています。
これはDX化によって業務の効率化が進みその変化によって企業成長ができたといってよいでしょう。
また、デジタル化によって革新的な新しいサービスを展開できる可能性を高めるのも
DX化ならではの特徴ではないでしょうか?
デジタルトランスフォーメーション(DX)企業の事例
ここでは、DXで成功した日本企業の代表的な事例をピックアップしてみました。
1,日立製作所
日本を代表する電機メーカーであり、日立グループ核になる日立製作所。社内だけではなく、顧客データと日立のデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーが注目されています。
東京証券取引所に株式上場している企業の中から、経済産業省と東京証券取引所がデジタル活用の優れた実践企業を選ぶ「DX銘柄2021」にてDXグランプリ2021を受賞しています。
2,株式会社セブン&アイ・ホールディングス
セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂などを傘下に持つ大手流通企業である株式会社セブン&アイ・ホールディングス。
ユーザーデータを統合的に集め、活用できるグループ共通のシステム「DXプラットフォーム」の構築を行っています。その他、デジタル人材の採用、育成の強化をするほか、ECビジネスにおける発送効率のオプティマイズを可能にするグループ共通のDXシステムも進めています。
まとめ
コロナ渦で加速を見せるデジタル化の波。企業にとっては最新デジタル技術をビジネスに取り入れることは、今後のビジネス展望で欠かせないキーポイントの一つだといってもよいでしょう。
また、それによって私たちの生活が今以上に便利で快適なものとなるというのがDXの一番重要な定義です。今後、企業や国のDXの動きに注目していきたいところです。
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